減反政策を蹴っ飛ばした佐久に植えられたカラマツ

5/18~19で長野の佐久というところにいってきた。

 

2/17~3/19の期間、静岡県の木の花ファミリーというところで

エコビレッジデザインエデュケーションなるものを受けてきた。

 

そこで知り合った長野県佐久市出身のSちゃんが、

幻の長野県産のコシヒカリ”五郎兵衛米をつくっているというので、

興味があったのと

私の父方の祖母が佐久の臼田出身ということで、

どんな風景が広がっているのか見てみようと思った。

 

五郎兵衛米がおいしいと言われる理由

1.水が綺麗なこと(浅科山からひかれた用水路によって)

2.土が強粘土質であること

3.日照量が多い事(国内2位。1位はおそらく飯田市)

4. 朝夕の寒暖の差が激しいこと

5.でもつくれる面積が400ヘクタールしかないからあまり

  流通しない。まさに幻のコメ

 

どうして粘土質だといいのだろう?

日本の土は粘土質で、セシウムも作物に取り込まれにくいという。

行ってみてわかったこと

長野の人の生活スタイル

朝、早くおきる

午前中農作業

午後 昼寝

晩御飯 早め

寝るの 早め

昔祖父母のうちにいたころと同じ生活スタイルだったので、

なんだか懐かしくなった。とくにこたつで昼寝をするところ。

ほんとうに泣きたいくらいに懐かしい。

 

こたつにマメタンというものがつかわれていて、電気を使わずに

ほりごたつがあたたかいのが驚愕だった。

梅干しの黒焼きも初めてみた。ウメぼしを七輪のなかに

入れて、炭化させる。それにお湯をそそいで、上澄みをのむ。

なんともいえず不思議だがおいしかった。極陽性でのどに良いらしい。

 

薪はすべて所有している山から伐採してきており、

薪ストーブ及び炭焼き場で炭化させて、石油ストーブのかわりに

大きな火鉢で鉄瓶でお湯が常に沸いている状態。

冬はほとんどガスは使わないそうだ。

Sちゃんのお兄さんのおうちも見せてもらったが、

古民家に太陽光パネルが広々と乗っかっていた。

オール電化で、ガスはまったく使わず、薪と電気で賄うらしい。

Sちゃんは小さなパネルを乗っければ十分にエネルギー自給

できそうな環境だった。

 

田んぼに行って見せてもらったこと

高齢者の方達がとてもたくましい。

3.11以降、田んぼに水がちらほら入るようになってきた。

水は隣の田んぼから流れてくる(水の加減、時期を守る、

近所づきあい必須)

いい意味でも悪い意味でもコミュニティが根強く残っており、

保守的。

良い意味:お金を使わずに食べ物のやりとりをしている。何かあったら助け合える。田んぼを代々守り続けることで、先祖の土地を守っている。

悪い意味:農家が高齢化していても、新しい若者を呼び込みにくい。

     警戒心が高く、Wooferなどを受け入れるのにハードルがある。

     真面目なので、「来るなら移住するくらいの気持ちで。通いで来てもらうよりもその方が技術が頭に入るだろう。」

この言葉は、都会に住んでいて自然によりそう暮らしにあこがれる人には

結構重たい。

手始めとして気軽に援農にこれる仲介的な役割を担う組織が必要なのかもしれない。

Sちゃんによると3反の畑でも資材やら機械やらで毎年100万円の

赤字だという。6反位でトントンなのだそうだ。

いろんな品種の野菜や宿泊業など収益源を多様化し、

若い人が農業を担っている木の花ファミリーのような

コミュニティは経済的な意味でも持続的だなとおもった。

 

農薬を使うことについて

Sちゃんは13年の試行錯誤を経て、しかるべきタイミングに一回だけ

農薬を使うようにしたという。いろいろな人の助けを借りながら

一人で3反の田んぼをやるというのは相当大変なことみたいだ。

それでも本当に農業をやる人から見たら遊びのようなものなのだという。

苗も、育てるところからはできないので、親戚のつくってくれている

ひとのところに軽トラで取りに行く。

Sちゃんの得意分野は、宇宙エネルギーを使って

おいしいおいしいお米をつくること。

「いろいろやってるのよ」

と言っていて、詳細は聞かなかったが、お米の苗に声掛けは毎日しているという。

おいしさと品質が証明されている出来事として

できたお米は日本に7人しかいない食のマイスター

の人が経営している「職人館」というところにお米を仕入れているらしい。

「うちのお米、おいしいらしいよ~」

Sちゃん、他人ごとのような口調がおもしろい。

そして、日本で一番厳しい審査といわれる(初めて聞いたけど)

共産党の人たちが行っている残留農薬と放射性物質があるかどうか

の検査も、なぜか一回農薬を使っているのにもかかわらず

作物には残留農薬がないという書類を見せてもらった。

宇宙エネルギーの仕業なんでしょうかこれは?

 

 

山に行って見せてもらったこと。

切っている山とそうでない山の違い。

弱い木から枯れ始めている

ハリエンジュが蔓延してきている

ヤマザクラ→松→栗→クヌギ

木の年輪から、20年前に何かあり、そこから木があまり

大きくなれていないとのこと。

北海道と長野では、国策で杉のかわりにカラマツを植えた。

当時は植えないと村八分という状態だったらしいが、

もともと50年前は田畑だったところに真っすぐな

カラマツが生えており、森に光がはいらず、

コケ一つ生えないところを湧水が流れている。

素人が見ても「この森荒れてるんだなあ」と思える有様だった。

カラマツは切っても材にならず、お金にならないため、

そのまま放置する地主もいて、山は荒れ放題。鹿も出放題。

「国の言うことを聞くとときどき痛い目に遭うのよ」

Sちゃん兄弟がもっている山は、木が切ってあり、地面に

光が入るので、緑が生えていた。差は歴然だった。

 

今年(2013年)は桜が咲いた後に雪が降った珍しい年で、

ウメなど木になる実は花がやられてしまって大変とのこと。

 

山菜とりをはじめてした。

こごみ、ギボウシ、サンショウ、フキ、ワサビ、

 

おもしろいとおもったこと

SちゃんはEDE中は体力の限界に達しており、

最後の方は小さくしぼんでいるように見えた(しょぼしょぼしていた)

森や田んぼでのSちゃんは足どり軽く、田んぼの苗も軽々運ぶし、

山でもどんどん先に行ってしまう。イキイキしているように見えた。

そういう人なんだろうな。とEDE中から思っていたので、

現場にいるSちゃんの暮らしを見てみたいと思ったのも

今回行った動機のひとつでもあった。

「あ、これは鹿の通った後だな」

「ちえちゃん、私は長い事教員をやっていたけど、本当にあほな教育を

 していたと思うよ。山の中に、自然の中に教科書に書いてないことが

 たくさんある。」

「こんなに太い茎のたんぽぽ今までみたことない。今年の自然はおかしい。

 放射能のせいじゃないかと思う。」

おもしろいと思った植物

ヒトリシズカ、オキナソウ

 

夜はまた、「懐かしい未来」のフルバージョンを鑑賞した。

途中寝落ちしかけた。

Sちゃんはかまたんの種生ビレッジをあと数年後に見学したいと言っていた。

TPPが通ったら、農家は自分が食べる分だけつくり、

耕作地を放棄するようになるだろう、とSちゃんは

繰り返し言っていた。

もともと農家の人はもうからないのに

「世のため、人のため」で田畑を維持している部分もある。

TPPが通って困るのはおそらく

「日本の安全安心なお米をそれなりの値段で食べたい都市部の中間層

 (今も格差は広がりつつある)」なのかもしれない。→つまり自分

 

あとスピ系の話題しては、Sちゃんのインドのアガスティアの葉の

話を聞いたりしました。おもしろかったです。

Sちゃんの魔女っぷりを見れて私は満足です。また行きたいな。